大阪に行く用事があったので枚方宿鍵屋資料館に行って見ました。
枚方宿は東海道の延長として整備された「京街道」にある4つの宿のひとつです。
江戸時代にあった建物をレストア(古民家再生)して現代に残しているのが枚方宿鍵屋資料館です。
もくじ
漆喰壁が眩しい枚方宿鍵屋資料館
鍵屋資料館は立派な白い漆喰壁が特徴の建物です。元々は船待(ふなまち)宿として使われていました。
鍵屋とは屋号で、江戸時代に淀川往来の船を待つことができる「船待(ふなまち)宿」を枚方宿で営んでいました。
別棟は大正・昭和には料亭・料理旅館として1997年まで営業していたそうです。
鍵屋の庭
鍵屋は江戸時代に大阪と伏見を結ぶ三十石船(米を三十石積めることから三十石船と呼ばれ、
今でいうと、駅と空港の両方に直結した宿ということです。
例えば玄関は関空に直結していて、裏口は新大阪駅直結と言うことです。
メチャクチャ便利ですね!繁盛確定の立地です。
好立地を借りようとすると家賃も高いですよ(笑)
お庭もちゃんとしてあって雰囲気ありますね。
市立枚方宿鍵屋資料館の入場料と休館日
入場料
大人200円
中学生・小学生100円
休館日は火曜日
9:30〜17:00が営業時間です。
鍵屋の屋敷配置図
鍵屋の建物は大きく分けて3つです。
主屋は東棟といって一番古い建物です。
西棟は東棟を建てた後つくられたそうです。
表に面しているのが京街道です。
別棟との間に蔵が立っています。
そして奥にあるのが別棟です。
別棟は淀川に面していたそうです。
漆喰壁が美しい鍵屋資料館の主屋
主屋の玄関は京街道に面していたので往年には人の賑わいがあったことでしょう。
主屋の隣に見える一回り小さな漆喰壁の建物が西棟で主人の家です。
主屋の中は見学できます。葵の御紋ですね。
京街道は紀州藩の参勤交代ルートになっていたのだそうです。説明がなかったので由来はわかりません。
室内も部分的に漆喰壁を多用されていました。
鍵屋の主屋は2001年に解体と復元工事(レストア)をして資料館として開館したそうです。
主屋東棟の外部壁は現在は白漆喰ですが、往年には黒漆喰仕上げだったようです。
黒漆喰は技術力と手間暇がかかるため、かなり高価なので鍵屋の財力を想像させます。
内部壁は色土仕上げ。色土は関西では多い仕上げなんですよ。
「うだつ」も漆喰仕上げだったそうです。
うだつとは、町家同士が隣り合って建てられている場合に隣から火事が燃え移るのを防ぐためにつくられていた由来があります。
江戸時代半ばを過ぎると、うだつには費用もかかるため比較的裕福な家がうだつを上げることができたそうで「うだつが上がらない」という語源にもなったとのこと。
ということで、鍵屋の財力を想像できますよね。
和釘や金物もありました。
日本建築は自然素材を使った大工技術の結晶です。世界最先端なのではないかな。
建築関係者にはぜひ古い建物を見て欲しいなあと思います。
このように建築物には日本の歴史が詰まっているので、保護活動をして大切な建物を残して欲しいですよね。
市立枚方宿鍵屋資料館の西棟は主屋直結の構造
鍵屋の主屋に繋がっている西棟には多くの古民具が置いてあり重厚感を放っています。
帳場(ちょうば)
手前には番頭机があります。(最近このようなつくりに興味あります 笑)
一番気になったのは千両箱です。意外とコンパクトサイズなんですね。
千両箱のサイズは縦40cm×横14.5cm×深さ12.3cmが一般的なサイズ。
中身が入った重さは15kgなのだそうですよ。
竃もありました。床は土間ですね。
立派な梁です。西棟内部の壁は土壁仕上げですね。
主屋西棟は鍵屋主人の居住スペースだったそうです。この縁側でどうもの思いにふけっていたのだろうか?
今も昔も経営者の悩みは同じなんだろうなあ。
鍵屋の蔵は漆喰壁が美しい仕上がり
やっぱり蔵には漆喰仕上げですね。
漆喰には消臭μ、抗菌、防カビ、湿度を一定に保つ効果があるので蔵には使われている壁材です。
お酒や醤油、味噌の蔵もほとんどが漆喰です。
聞くと熟成具合が違うのだそうですよ。
超簡単にいうと漆喰壁の建物だと食べ物が美味しいということです。
フランスやイタリアのワインセラーにも漆喰壁が多く使われていますね。
国を超えて人類の知恵が漆喰壁かもしれません。
現代の蔵の補修でよくあるのが漆喰に白ペンキを塗ったり、モルタルで補修したもの。
見ていて心が痛みますが、この鍵屋の蔵はちゃんと漆喰でできているので安心できます。
市立枚方宿鍵屋資料館の別棟
別棟は資料館になっていて入るのは入場料が必要です。
玄関の古い建具が雰囲気あります。別棟は昭和の雰囲気ですね。
鍵屋別棟は淀川に面していました。
現在では堤防があり淀川からは離れていますが、往年には淀川に直接面していたそうです。
1Fにはくらわんか船がありました。
江戸時代には船旅客相手に乱暴な言葉で飲食物を売っていた煮売茶船を、くらわんか船というのだそうです。
やりとりが映像で見えるので見てみると面白いです。
階段。昔の建物の階段は急ですよね。踏み外し事故も多かったことでしょう。
そんな別棟でぜひ見て欲しいのは2Fにある大広間(63畳)。
ここは大正から昭和初期の雰囲気がありますね。
別棟は高級料亭だったとのこと。
超迫力ですね。往年を想像させます。
別棟2Fの笹の間(ささのま)
右にある襖は南天棒鄭州の墨書なのだそうです。(カメラの角度的に限界でした。)
往年は黒漆喰だったみたいです。
鍵屋資料館のまとめ
鍵屋資料館は好立地で高リッチだったのがよくわかりました。
一度は行って見てください。
そのほかにも多くの漆喰壁を全国各地に見に行っております。ご覧ください。