漆喰の遺跡

世界史に残る漆喰の歴史。エリコの頭蓋骨は漆喰仕上げ。

漆喰って何年前からあるんでしょう?

今回はそのような話をします。

 

エリコの壁

新石器時代、現在のパレスチナに

エリコ(Jericho)

という街がありました。

11,000年前から人類が住んでいたと言われる都市の一つです。

また、この街は旧約聖書にある「エリコの壁」として有名です。

 

モーゼの後継者であるヨシュアは

エリコの街を包囲したが、エリコの人々は城門を固く閉ざして誰も出入りすることが出来なかった。

イスラエルの民が契約の箱を担いで7日寛城壁の周りを回り、角笛を服と城壁が崩れたそうです。

(この契約の箱とは「聖櫃」とも言われ、旧約聖書に記されている十戒が刻まれた石板を収めた箱のことです。)

これが「タワーフ」というイスラム教の儀式になったそうです。

 

タワーフとは

 

なんだかキリスト教とイスラム教がゴッチャになってきましたが、

エリコの街へ話を戻します。

 

エリコの頭蓋骨

1953年 聖書考古学者キャスリーン・ケニヨンが

エリコの街にあるテル・エッ・スルタン(Tell es-Sultan)という地区で発見したのが

「エリコの頭蓋骨」と言われる、9000年前の男性の頭蓋骨。

他の7つと一緒に発見されました。

 

大英博物館の考古学者たちがこの頭蓋骨を調べたところ、

いろんなことが分かりました。

頭の形を変える目的で、子どもの頃から頭を布できつく縛られていたそうです。

亡くなったあと、頭蓋骨は中に柔らかい土が詰められ、

眼窩には貝殻が詰められて、頭蓋骨底部の粘土は彫刻のように平だった。

漆喰を塗って彩色し装飾を施されて飾られたそうです。

 

 

10,000年前の人の感覚や基準は現代に生きる我々では理解できません。

物もないし、技術もなく、明日の食べ物すら安心できなかったでしょう。

 

そのような状況下で頭蓋骨に漆喰を塗るとは

当時の漆喰は機械化されつくることができる現代よりも貴重なものだったと推測されますね。

固まるための素材は漆喰がよかったということでしょう。

※厳密に言うと日本の漆喰とは違うものなのですが、ここでは細かいことは置いときます。

 

 

漆喰って何?と思われた方は以前に書いたのでご覧ください。

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