山口県にある萩市は江戸時代とほぼ同じ街割りが残っている数少ない街です。
また、普通の町であれば建物が重要文化財に指定されますが、
萩ではあまりに多いため、通りまるごとや区画まるごと重要文化財に指定されています。
明治維新の原動力の一つになった町はやること豪快!
そんな萩市中心部にある国指定の重要文化財にロハスウォール本格漆喰を塗りに行ってきました。
こちらは私が行く先々週の前半工事で完成させていた部分。ロハスウォールのトップインストラクターと地元左官職人さんの応援のもと平らに抑えて塗りました。
重要文化財ということもあって、江戸時代の文献にも残っている由緒あるお家。
私が行ったのは通り側のお部屋を塗る後半工程です。
萩では椿まつりなどのイベント時には重要文化財のお家の中まで見学ができるそうです。
そのため、外観だけではなく中身までキッチリとした素材を使ってリフォームする必要があるのですが、やはり重要文化財、それも国のはルールが厳しいのだそうですよ。
国の重要文化財にロハスウォールを採用いただきそして自分でも塗るチャンスをもらえて嬉しい限りです。
なにせ江戸時代の建物なので養生も気を使いつつ進めます。
投光器の色で本来の色とは変わってしまっていますが、
奥の壁はオリーブで床の間手前はベージュで塗りました。
乾いている途中なので色の濃淡がありますね。
休憩前に、道具を洗ったので写真をとりました。(奥の鏝は師匠から弊社インストラクターへの頂き物です。)
おやつにいただいた、蒸気船まんじゅう。
萩名物だそうです。
中身はたい焼きなんですよ。
生地部分が多いので食感が独特です。
こんな現場では集中するので脳みそを使います。
そんな時は人間甘いものが欲しくなるんですよね。
階段部分の塗り方をよく聞かれますが、職人的方法は脚立を片方の壁に立て掛け、足場板を渡してこのようにして塗っているのです。
古民家は木材が歪んでいるので際を塗るときに形状に鏝を合わせていかないと隙間ができてしまいます。
この部分は漆喰ではなく珪藻土を使っています。私が得意とするパターンで鏝跡を残した模様に。
模様は材料×塗り方×道具で決まるのです。なので、
どのような模様にするのか?でそれらを選び組み合わせることが重要です。
京町家のような「通り庭(とおりにわ)」もあります。
この壁も漆喰仕上げにしました。
ご一緒させていただいた職人さんは
左官歴50年の大先輩。そして同時に大工歴30年なのだそうです。
両方の経験値を積み上げてまるでドラクエのような世界だな。
地方の職人さんには兼務されている方が多いですよね。
私の実家も左官職人もしながら大工もやるという両刀使いの職人さんが建てたと聞きました。
こちらのお家では塗ることに集中しすぎてあまり写真が撮れなかったので以上となります。
完成写真を手に入れたら更新しますよ。
椿まつりで公開されるのが楽しみですね。