漆喰の効能としては、抗菌、防カビ、消臭効果、湿度調整、シックハウス対策が一般的にも有名ですね。
もちろん、それ以外にも独特の見た目、質感やオリジナルの模様などもありますが、今回の話題のメインである「抗菌効果」についてご紹介しますね。
漆喰の抗菌作用が抗ウィルス効果やインフルエンザ対策、風邪に効果があると注目されている理由についても書きたいと思います。
もくじ
漆喰の抗菌効果とは?
漆喰には抗菌効果がありため、漆喰を塗ることで風邪やインフルエンザなどのウイルス対策にもなり、新型コロナウイルスの対策にもなることで、最近はさらに注目を集めています。
実際に、漆喰の抗菌効果によって「インフルエンザウイルス」に関して、99%不活性化させる作用があることが実証されています。
また、漆喰の抗菌効果はカビが生えやすい湿度が高い部屋でのカビ対策にも役立ちます。
さらに、漆喰は湿気を吸ったり吐いたりして部屋を快適な湿度に保つという優れた「調湿性能」や、「化学物質を揮発させない効果」もありますので、快適で健康にも安心な空間作りが可能なのです。
抗菌効果や調湿効果とはべつの「耐久性」「断熱効果」「防火性」「防音効果」といった漆喰の性能についてはこちらで説明しています。
関連記事:漆喰のメリット、耐久性と断熱効果、防火性、防音効果をプロが解説します
漆喰の抗菌効果の理由とは
漆喰の性質はなんといっても「pH12以上」という強アルカリ性であるということ。
日本古来の漆喰の製法では漆喰の原材料に消石灰を使用するため、強アルカリ性という性質をもちます。
その結果、強アルカリ性の作用によって漆喰には抗菌効果があるのです。
pH 12.52です。
水で練っているペースト状の漆喰は強アルカリ性です。
pH(ピーエイチやペーハーと読む。)とは水素イオン濃度のこと。これが
強酸性 | 0〜2 |
---|---|
酸性 | 3〜6 |
中性 | 7 |
アルカリ性 | 8〜11 |
強アルカリ性 | 12以上 |
表のようにphの数値で分類が分けられています。
この強アルカリ性(ph12以上)の環境になると、ほとんどの生物やウイルスは生存できなくなります。
例えば、この強アルカリ性の性質を利用し古くは中世ヨーロッパでは、ペストの流行時に家に消石灰を撒く対策が行われました。
現代でも鳥インフルエンザや豚熱などを予防するために、消石灰が利用されています。
ただし、乾いた漆喰壁の表面は中性化されているので手で触っても安全な状態です。
表面に露出していない部分は硬化が進んでおらず強アルカリ性という状態をキープしています。
つまり、消石灰を原材料に使用していない漆喰では、アルカリ性が低いため、抗菌性がありません。
漆喰の表面には無数の穴である多孔質で構成されており、空気を保有することができます。
多孔質内に空気が入って通過すると主成分である消石灰の強アルカリ性で殺菌・消臭されるのです。
自宅が快適で安全だったらいいよね。それだけでも漆喰を塗る価値ありです。
そう考えると、抗菌性ということは、病原菌などのウィルスにも効果があるのでは?と思う方も多いのではないでしょうか?
そこで、ウィルスが飛沫した場合どのように漆喰の抗菌作用が機能するのか?次の記事でまとめました。
漆喰の抗菌効果が有効なウイルスとは?
全てのウイルスに対して漆喰が有効な訳ではありません。
ウイルスにはエンベローブウイルスとノンエンベローブウイルスの2種類がありますが、漆喰の抗菌作用が有効なのはエンベローブウイルスです。
ちなみに、インフルエンザウイルスやヒト免疫不全ウイルスなどがエンベローブウイルスです。
漆喰の抗菌作用はアルカリ水溶液によるものなのですが、エンベローブウイルスは大部分が脂質でできていることから、加水分解されウイルスが死滅します。
そのため、エンベローブウイルスに対して漆喰の抗菌作用が有効なのです。
また、コロナウイルスに関してもエンベローブウイルスのため、漆喰の抗菌作用は有効です。
どんな漆喰が効果的なのか?
漆喰には、いろんな効果があるとしても、
壁に塗る漆喰には人が暮らしていくための機能が求められます。
「身体にいいこと。」
現代ではほとんどの住宅に大量の化学合成接着剤を使っているため、あまり身体によろしくありません。
そのようなお家に効果てきめんなのが「漆喰」なのです。
漆喰について詳しく知りたい方はこちらの教室に参加ください。
最近では建築士さんや工務店さんも多くいらっしゃっております。