犬山城の漆喰壁を見てきました。
もくじ
犬山城とは
犬山城は別名で白帝城(はくていじょう)とも呼ばれ、1537年(室町時代)に建てられており、天守は日本最古の様式。国宝指定されています。
元々は砦があった場所を織田信長の叔父である織田信康(おだのぶやす)がお城に改修したという経緯があります。
立地も良いため、小牧長久手の戦いや関ヶ原の戦いでも重要拠点として使用されました。
犬山城は江戸時代になり成瀬家が治めるお城になったそうです。
初代犬山藩主は成瀬正成
成瀬正成(なるせまさなり)は徳川家康の九男である徳川義直(よしなお)の
尾張藩附家老(おわりはんつけかろう)として犬山城に入り犬山藩が誕生しました。
とはいえ、あくまで尾張藩を補佐する立場なので名実ともに独立藩として認められたのは大政奉還をしてからのことです。
成瀬正成の有名な話として、大阪冬の陣で堀の埋め立て工事の指揮を本多正純、安藤直次と行った実績を持っています。
その時に、「総堀とは全ての堀のことであろう」と言って全て埋め立てたのは有名なエピソードです。
(犬山城初代城主成瀬正成)
成瀬正成と関連する武将として後藤又兵衛をご存知ですか?
後藤又兵衛は黒田官兵衛(孝高)の家臣として数々の戦に参加。実績を上げた猛将でした。
官兵衛の死後に黒田家を出奔し、さまよっているうち、犬山城城主の成瀬正成が復帰に手を貸そうとするもうまく行かなかったという逸話も残っています。
要するに成瀬政成にはいろんな活躍があったので犬山城が与えられたということですね。
犬山城へのアクセス
犬山城は愛知県犬山市にあり木曽川沿いにあります。名鉄犬山線の犬山遊園駅が最寄駅で駅から歩くと18分です。
城下町から犬山城に入ろうとすると昔は大手門がありましたが現在は残されていません。
大手門は桝形(ますがた)というタイプで明治時代まで残っていたそうです。
大手門の形状は真田丸のように馬出しという台場タイプではなく、四角い形状の桝形というタイプなのです。
犬山城へは三光稲荷神社を通って行く。
犬山城には城下町を歩き三光稲荷神社を抜け、針綱神社を経由し本丸大手門より天守台に入ります。
三光稲荷神社。最初の鳥居に成瀬家と書いていますね。成瀬家は犬山城の城主(お殿様)だからなのです。
緑が多い環境の中、本丸を目指して歩きます。神社を通過して行くと鉄門(くろがねもん)が見えます。
もう一つのルート針鋼神社(はりつなじんじゃ)
針綱神社にはそり橋があります。どんな由緒があるのでしょうか?
三光稲荷神社を通らずに本丸に向かうには針綱神社を通るというルートもあります。
犬山城本丸入り口の鉄門(くろがねもん)
犬山城の鉄門です。表札にでかでかと国宝という文字が書いてありますね。
鉄門の白い壁は残念ながら漆喰壁ではありませんでした。
表面が剥がれている様子を見るとペンキっぽいですよね。う〜ん、漆喰でないのが残念。
このパターンはどこかで見たなあと思ったら、和歌山城の漆喰壁を見に行った時と逆パターンでした。
和歌山城は本丸が鉄筋コンクリート(RC)で復元され、
岡口門が当時から残る重要文化財(漆喰仕上げ)です。
犬山城とは逆パターンですよね。
犬山城の入場料と営業時間
犬山城入場料金
入場料金は大きく分けると一般料金と小・中学生料金の2種類です。
個人(一般) | 550円 |
個人(小・中学生) | 110円 |
団体(30人以上) | 1割引 |
団体(100人以上) | 2割引 |
団体(300人以上) | 3割引 |
修学旅行などでも行けるように30人以上から割引料金が設定されています。
犬山城下町周遊券セット料金 600円
他にも明治村、リトルワールド、庭園有楽苑などとの各セット券もあります。
(犬山城の登閣券 チケット)
今回は大人1名で入場登閣券を購入しました。550円で当日しか使えません。
犬山城は国宝指定されているお城の中でももっとも古い城。
犬山城の大杉
犬山城の本丸天守前には大杉があります。1965年頃枯れたそうなのですが、風格がありますね。
この大杉は避雷針の代わりになったりして犬山城天守閣の守神だったのだそうです。
おかげで私たちは現在においても国宝として見ることができるのですね。
ありがたや。
犬山城の本丸天守
犬山城の本丸天守の石垣は野積みのようでした。
多くのお城の場合では本丸へと進むごとに石垣積みの精度が上がって行くのですが(宇和島城など)
犬山城は対照的で面白いですね。
ここまで侵入されたら守りようも無いということもありますね。
本丸天守への入り口の階段。とても急な角度ですよ。
犬山城の天守閣は4階建の構造で200坪あるそうです。広すぎてなんだかピント来ないですよね。
素晴らしい木工でつくられた模型があります。
犬山城本丸天守の漆喰壁
犬山城本丸天守の漆喰壁は1961年から1965年まで解体修理(オーバーホール)が行われたそうなので、その時に塗った漆喰だということが分かります。
厚みもあって繊維質も見えますね。
当然ながらこの時代には巾木(はばき)はありません。が、床材は現代でいう無垢フローリングになりますね。
犬山城本丸天守からの眺め
天守からの眺めは絶景なんですよ。
(本丸天守北側の眺望。各務原市の街並みを木曽川越しに一望できちゃいます。)
しかし、手すりが低い….多少のスリルが味わえますよ。
私が行った時は見学者が帽子を落としたらしく係の人が釣竿を器用に使って回収していました。
高欄の間からの眺望がオススメです。
犬山城本丸天守から西側の眺め。ライン大橋が見えます。ライン大橋は車でも徒歩でも渡れますよ。
犬山城本丸から東側の眺め。犬山橋が見えます。
端の空間は吹き抜けのようになっていて、漆喰壁にひび割れが見えました。これが外壁の漆喰だと雨漏りの原因になりますが、室内なのでこの部分のひび割れは気にしないのでしょう。
犬山城の本丸天守は建物の中心に空間があるという面白いつくりです。ちょっとダンジョンっぽいですよね。
雨漏りによる雨だれがありました。雨だれも綺麗にできる技があるので、お悩みの方はお問い合わせください。
梁の木の表面には「なぐり」が刻まれていました。
出来上がった時はもっとクッキリしたデザインだったと思うのですが、400年も経つと模様も薄くなってくるようです。
天守3階にある唐破風(からはふ)の間
築城当時にはなく、装飾として増築されたそうです。
ここの壁は漆喰ではなく、ペンキでした。国宝で細かいところが漆喰では無いというのは残念。
継ぎの部分に割れがありました。
犬山城の本丸天守の外壁漆喰
本丸最上階の外壁漆喰には砂を多く入れているようです。砂が多めになると耐久性が高まる効果があるんです。
一部に漆喰が剥がれている部分がありました。ここから雨風が侵入するので早めに塞いだ方がいいですね。
風雨で漆喰壁の表面にダメージがある壁がありました。
風紋のように漆喰壁が剥がれています。
コーキング剤のようなものを詰めて補修されていたようです。
せめて漆喰を詰めて欲しかった。
天守の4階には国宝指定書が掲げられています。
江戸時代は成瀬家が城主を勤めておりましたが、それ以前にも歴代の城主がいますよ。
本丸天守の外壁で気になった部分としては木板でできた窓、花頭窓(かとうまど)がありました。
その室内側。窓があるはずが漆喰壁で覆われています。
どうやらダミーだったようですね。窓は戦になれば鉄砲や大砲などで狙われますが何らかの策だと思います。
犬山城の城下町
戦になると城下町も防衛施設として使用されるため、犬山城の城下町も堀で囲っていました。
街並みもしっかり整備されています。
犬山城の駐車場はここがオススメ
犬山城近くには多くの駐車場がありますが、お城と城下町の両方を楽しみたい場合には三井リパーク犬山城前が初回3時間500円という金額と近さの両方を兼ね備えていてオススメです。
私もここに駐車して城下町歩きとお城見学を楽しみました!
犬山城のまとめ
犬山城は国宝の本丸天守があり、途中に神社がありで観光で行っても楽しいお城です。
また、城下町も整備されていて町歩きも充実して楽しめますよ。
犬山城の城下町には忍者道場があります。
しかし、天守を見た後訪問したため、営業時間終了。
忍者道場には行きたかったです...。
犬山城以外にも国宝級の漆喰壁が残っています。こちらもぜひご覧ください。