石川県金沢市にある「金沢城」の漆喰壁を見に行ってきました。
加賀100万石とも言われた加賀藩。現代でも古い町並みが残っていて、北陸新幹線も開通して観光地としても魅力を増してきました。
そんな金沢市の中心にある「金沢城」の漆喰壁を目的に見に行ってきましたよ。
もくじ
金沢城と兼六園の位置関係
金沢城へはJR北陸新幹線の金沢駅よりバス+徒歩で最短22分。タクシーだと6分くらいで到着します。
また、金沢城と言うよりも日本三大庭園の1つでもある兼六園と言った方がピンとくる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
金沢城と兼六園は隣接しておりワンセットで見ることができます。広大で見応えあるので、じっくり見たい方は半日〜1日確保されて見た方が良いですね。
兼六園は日本最古の噴水があることで有名ですが、今回は金沢城のみご紹介します。
金沢城の石川門口
金沢城に入るには4箇所の入口があります。こちらの石川門口は兼六園側になるので、兼六園を先に見た方はここから金沢城に入ります。
そうそう、兼六園側のお土産屋さん街には有名な金箔ソフトがあるのでご賞味ください。
(日本の金箔生産量の99%が石川県なのだとか。)
話が逸れましたが、石川門は枡形門。入ると門を含めて4方向を囲まれている空間になり威圧感がすごいですね。
三の丸広場からみる五十間長屋
現代での五十間長屋は金沢城のハイライトといっても過言ではありません。
圧倒的な長さからの存在感。この白い部分が漆喰壁なのがまた美しいですね。
金沢城には江戸幕府からの謀反疑惑が度々あったことを警戒して、元々から天守閣が存在していません。
お城としての実戦的には、大坂冬の陣のように高さのある天守閣があれば大砲で狙い撃ちにされるので屋根は低いに限りますよね。
また、漆喰壁はデザインの話だけではなく、お城の防御力として使われていました。
お城の漆喰壁の構造とは
白色の漆喰壁はやはり目立ちます。しかしながら表面は漆喰で覆われていますがその下にキッチリした土台が大切です。
大砲を打ち込まれても簡単に壊れない(修復できる)ものがお城の壁としてもふさわしいですよね。
ベースは土壁ですが、注目して欲しいのは竹小舞(たけこまい)。竹そのまま丸状で使い網目状にし、ワラ縄で縛って土壁を塗りやすくします。
最初は荒壁、次に目潰し、ムラ直し、漆喰を塗りやすくするための中塗り、砂漆喰(かなり粗めの漆喰)そして仕上げの漆喰(表面ツルツルタイプ)です。
なんども塗り重ね、乾かすので土壁工法ではキッチリやると壁が出来上がるだけで1年くらいかかるのですよ。
また、壁の下の部分が黒いことにお気づきでしょうが、ここは瓦なんですよ。そして白い部分は漆喰壁。これをなまこ壁と言います。日本各地でよく見かけますね。
竹小舞(たけこまい)自体がお城と一般住宅では違う
この竹小舞(たけこまい)は普通の住宅ではこんな感じです。
半分どころか1/4にカットしているので土壁の厚みも薄いですね。材料代も安くて工期短縮によって人件費も下げることができます。
さらに、ワラ縄ではなくビニール紐を使われることがあるのです。
もし土壁の家を建てようと思われるなら本物にこだわった方が耐久性もいいですよ。
国指定重要文化財の三十間長屋
金沢城の三十間長屋は1858年に再建されたものが今でも残っています。
二の丸広場から望む三十間長屋。
金沢城に行ったのは、ちょうど雨の日だったのです。このような古い建物には雨どいは付いていません。
しかし、デザイン的には素晴らしく美しい。
二の丸広場
現在では何も残っていません。これだけの広大な面積に政務と生活の中心になっていたお屋敷があったそうです。
鼠多門・鼠多門橋の工事
金沢城は現在(2020年1月)第3期整備事業中で鼠多門を整備中です。2020年中の完成を目指しているそうでまた見所が増えますね。
現在は道になっていますが往年はお堀です。江戸城のお堀が首都高環状線になっているのと同じく金沢城でも道路になっています。
鼠多門にはなまこ壁があり、普通のなまこ壁の目地は白い漆喰を使われています。しかし鼠多門のなまこ壁の目地には黒漆喰が使われていたとのこと。
これを再現するらしく楽しみですね。
黒漆喰の技法的な話をすると、
漆喰は元来が白色なので黒漆喰にする場合の伝統技法では松炭を使って黒で着色するのですが、そもそも天然顔料では現代の黒色ほど真っ黒にはなりません。
現代ではカーボンブラック(石油やガスのスス)などを使っているので塗装のような真っ黒が表現できるのです。
金沢城の黒色はどう表現するのか?
海外からの観光客も増えているので伝統技法で日本の黒を表現するのか、またまた現代の日本人が知っている真っ黒に表現するのか?
私は正攻法の黒漆喰にして欲しいなと思っているのですが、どうなるか楽しみです。
金沢城の黒門の前にあるコーヒーショップで一休み
金澤屋珈琲店さんの本店が黒門前にあります。お城歩きでちょっと疲れたらお茶休憩はいかがでしょう。
利家ブレンドをいただきました。
さて、この利家とは「前田利家公」のことですね。
加賀100万石の祖と言われる人物で、若い頃は傾奇者としても有名だったとか。
その世界観を表現した珈琲なのだそうです。
前田利家公は、戦国時代の平均身長が154cm(中学校1年男子の平均身長)なのに対し、身長が182cm(プロ野球選手の平均身長)この差は勝負になりませんね。
槍の使い手としても実力者だったとのこと。
槍一本で身を立て大名まで出世するとは本人はどう思っていたのでしょうか。
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