もくじ
漆喰壁の効果を最大に活かせるのはリフォームで
漆喰の効果が最大限発揮できるのはリフォームで使う場合です。
基本的にリフォームは中古の家に実施することになりますが、
既存のビニールクロスから砂壁や合板などのベニア板、古民家だと土壁、さらには間取りを変更した際に使用する新品の石膏ボードなど、
ざまざまな壁を下地としてその上に漆喰を塗ることができます。
要するに下地を選ぶ必要があまりないのが漆喰の良いところ。
建築資材が高騰しているニュースが多いですがリフォーム全体を通じたコストダウンにつながりやすいのが漆喰です。
漆喰の弱点
漆喰の弱点としてまず最初に挙げられるのが、工事金額の高さ。もともとお城に使われてきたように手間暇かかる高級な部材です。
現代では一般的なビニールクロスなどの壁紙を張り替えするよりも4〜6倍ほど高額になってしまい漆喰の弱点となっています。
素材 | 一戸建て(35坪 2F建て) | マンション(専有面積80㎡) |
ビニールクロス | 約55万円 | 約36万円 |
漆喰 | 約250万円 | 約200万円 |
例えば、郊外によくある35坪のタイプの一戸建て(2階)だと漆喰の工事費用で約250万円、ビニールクロスだと約55万円と5倍の価格差、
専有面積80平米のマンションだと約200万円、ビニールクロスだと約36万円、約6倍の価格差と大きく金額が異なります。
また、ビニールクロスと比較するとひび割れやすいということも弱点と言われていますが、ビニールクロスでは数年経つと継ぎ目から剥がれやすく目立ってくるので、
漆喰とビニールクロスでは同じ欠点(デメリット)を抱えていると言えます。
また、1番の弱点は漆喰工事をした経験がない施工会社(工務店さん)が増えており、一般人だけでなく建築業者としても少し敷居が高く思ってしまったのが漆喰という壁材です。
今から9年前(平成27年)の国勢調査によると漆喰を塗ることができる職人(左官職人)の人口は全国で約74,000人、34年前(平成2年)では約200,000人いましたが約1/3に減少しています。
令和になった現代ではもっと職人は少なくなっていると推測され、現に職人が手配できず建築工事が進まない、工期中に完成できないという建築業者の頭を悩ませる案件も全国で頻発しております。
よって、漆喰工事を避ける方針の業者が、この10年〜20年で増えているため
漆喰についての正しい知識や経験、職人さんとのつながっている工務店さんはさらに少なくなってきています。
専門業者 | |
ビニールクロス | 多い |
漆喰 | 希少 |
専門知識がなくなってしまうと、水回りには漆喰を塗れないと思っていたり、天井に漆喰を塗ることができないと思い込んでしまっている会社もあり、
せっかくの漆喰の効果を発揮できていないケースが多くあります。
そもそも建築業者としても漆喰は採用したいけど、先ほどご紹介した漆喰を塗ることができる職人を手配できないという弱点があり、例えお客さまが漆喰を塗りたいと希望を出しても安易に漆喰を薦めることができないといったジレンマがあるのです。
漆喰の効果・効能とは
漆喰の効果(効能)として挙げられるのが
- 抗菌効果
- 調湿効果
- 消臭効果
- ダニの抑制
- お部屋が明るくなる
- 防火性
- シックハウス、化学物質対策
- 耐久性
- デザイン性
これらが有名ですね。聞いたこともあるのではないでしょうか?
どれもビニールクロスにはない高い効果をもっているので、一般的な家とは完全に違う、高いレベルでの安心感が漆喰にはあります。
これらの効果を発揮しているのが漆喰の主成分である消石灰です。よって、消石灰を高性能なものを厳選して使用するのが漆喰で重要だというのは言うまでもありません。
その他、あまり知られていない、更なる漆喰の効果についてご説明します。
漆喰の断熱効果について
漆喰にすると冬暖かくなる。そのような効果を聞いたことありませんか?
漆喰壁の表面にはお菓子のウエハースのようなスポンジのような微細な穴が開いており、空気を保有できるため断熱してくれる効果があるのですが、
その微細な穴に湿気を取り込み湿度が安定する効果の方が有名ですね。
スポンジ状態なので、そのまま透湿(湿気を通す)ため、注文住宅などで外壁との間に空気を流す工法の家では断熱効果を含めて漆喰壁はぴったりの素材になります。
漆喰の消臭効果について
漆喰の消臭効果は非常に有名だと思います。
漆喰に使われている原材料の消石灰は強アルカリ性(ph12.6)の性質を持っているため、においの原因のタンパク質と反応し、消臭効果が生まれます。
スパイスや香辛料などが強い料理や、焼肉などニンニク系の匂いなど2〜3時間で消えるため、朝まで残るといったビニールクロスのような家にはなりません。
これは漆喰が強アルカリ性の性質ゆえ持っている効果ですが、漆喰が固まった表面は中性化されているため壁に触っても安全です。
防音効果がある?
漆喰は厚みがある塗り壁材です。模様にもよりますが2〜4mmの厚みで塗っていくため
壁紙のように1mm程度の厚みではなく、さらに薄いペンキとも違って防音効果を感じやすいでしょう。
模様もさまざまな種類があり、凹凸をつけると音を拡散して反響をさせないようにすることができ防音効果に繋がります。
漆喰壁のオーディオルームも最高に快適です。
反対に、平に塗ることで音の反響をよくすることができるのでピアノルームなどにすると
音の雑味もなくなりまるで腕が上がったかのように効果を感じられます。
音楽が趣味の方は必須の壁材が漆喰と言えますね。
炭と比較する漆喰の効果
湿気対策として炭が良いという話を聞いてことがありませんか?
炭は大量に不織布でできた袋に詰められていて、湿気を吸うという仕組みです。
しかし、湿気を含んだ炭は定期的に天日干ししなければ
炭を入れている不織布にカビが生えてしまい本末転倒になったという話も多くあり、
湿気は吸うけどメンテナンスフリーではないのが炭です。
一方で漆喰は壁に塗るだけで、あとは窓やドアを開けたりして換気でOK。
元々カビに強いのが漆喰の特徴なのでそれらに悩んでいたら
漆喰は効果がありますよ。